ここまで5連勝と絶好調の横浜ユナイテッド。第8節の相手は、マルカトーレ青葉。 前回は、3-1で勝利している相手。
この日は、じくまるをスタメンに抜擢。 ここまで、控えとしてベンチで温めていた分も、力を発揮できるか!?
アウェイの地に、多くのサポーターが詰めかけ、まるでホームのような雰囲気で試合は行われた!
あれ?
コーナーキックから、何ともあっさりと失点。いつも通りとは思えない動き。 選手同士の連携が、さっぱり。セカンドボールに誰もいかないのはマズイ!
しかし、一向に連携はうまくとれない。あっという間にディフェンスラインを崩されると、誰も相手選手に寄せる事がないまま失点。 この時点で、横浜サポーターの一部から、猛烈なブーイングが飛び、それを他のサポーターが止める異常事態に。。
最終的に、4失点の惨敗。チャンスらしいチャンスも、ゴール以外無しと言う結果に。
試合後は、試合後は、ブーイングと怒号の嵐。前節まで連勝、現在優勝争いをしているチームとは思えない光景であった。
「全然走れてねえぞ!」
「ディフェンスやる気あんのか!」
「ザル守備!やめちまえ!!」
4失点を喫したディフェンス陣は、集中砲火を浴びる事態となり、結局僕らは罵声の嵐の中、ピッチを去る事となった
その次の試合は、ホーム最終戦。もう絶対に落とせない!
しかし、前回と同じく守備陣がバタバタして失点してしまう。ゴール裏から飛ぶブーイング。 また、ズルズルと失点してしまうのか?
しかし、前半終了間際!いしのがキーパーとの1対1をしっかり決めて、同点に追いつく!!
さらに、後半開始早々、センターライン付近からのスローイン。これを、はぎわらがロングシュート!ゴールに吸い込まれていった!!
これで逆転。 終了間際にも、こやまがゴールネットを揺らし、3-1で終了。
前回とは真逆、大歓声に包まれることとなった。
ちなみに、1失点した守備陣には、 「この前ゴメンな!」 「次は無失点で頼むぞ!!」 と見事な手のひら返し。
まあ、次は優勝が懸かった試合。きっちり無失点で抑えることは、大きく優勝に近付く。 試合後のミーティングでは
「次の試合で、絶対勝って、サポーターの期待に応えよう!」
と締めくくり、最終戦に向けて気持ちを引き締めた。
ちなみに、最終戦の前には名門・任天堂サッカー部京都ブロスとのジャパンカップが行われた。
結果?聞くな。
ついに、僕らはここまで来た。次の赤石ミラクル戦。勝てば、無条件で昇格。
ただし、引き分け以下の場合は、クラシコ西条が引き分け以上となった際に、逆転優勝をかっさらわれることとなる。まさに、最終決戦!!
迎えた最終節。僕らは、自力優勝を目指して、アウェイに乗り込んだ!
サポーターからも、熱い思いのこもった応援が送られる!
試合は開始早々、動く。あおやなぎが相手を強引に突破して、エリア内にクロス!
これをこやまが頭で合わせて先制!ホームと化したアウェイに歓声が響き渡る!!
なおもペースは横浜。15分にはうえののバーをかすめるシュート。
さらに、20分にはあおやなぎ、きみしまと立て続けに赤石ゴールに迫る!
すると、その直後・25分。はぎわらが放ったシュートがキーパーに当たったものの、そのままゴールに吸い込まれた!!サポーターは、反対側のゴール裏にいたにも関わらず、すぐにゴールと分かったようだ(笑)
結局、前半はさらに1点を追加し、3点リードで終えることとなった。
優勝まであと45分。選手は、興奮が収まらないようだった、正直な所、僕自身もすでに興奮している。しかし、こういう時こそ、一番危険。選手を落ち着かせようと、僕は声をかけた。
「まだ、試合は終わっていないぞ!サッカーに安全なスコアはない。後半も落ち着いて、いつも通りのサッカーを貫こう。守りに入ろうと思ったら、やられるぞ!!」
すると、後半開始早々!横浜は相手に一度もボールを渡さないまま、はぎわらがゴールを決める!4-0と試合を決定づけた!!
さらに、こやまが5点目を決めても攻撃の手を緩めない。
65分から73分までは、横浜の連続攻撃!幾度となく相手ゴールを脅かすが、ゴールを奪うことは出来ない。そして、この後も相手にペースを渡すことはなく・・・
ピッ、ピッ、ピーーーッ!!
それは、とても長い音に聞こえた。優勝を意味する笛。僕は、一瞬頭が真っ白になった。
しかし、次の瞬間にはサポーターの大歓声と、雄叫びをあげながら飛びついてくる選手で、自分達自身が起こした歓喜に気が付いた。
クラブの広報も、テンションが上がりすぎたせいで映像をうまく撮れなかったようだ(笑)
僕達は、アウェイゴール裏に集まったサポーターの元に走っていき、彼らと喜びを分かち合った!
「最高だぜ監督!」
「信じてたぜ!」
そんなサポーターの声に、僕は涙が溢れそうになった。その時!
「やったぜ~!!」
そういって飛びついてきたのは、今まで冷静で、口数の少なかったキャプテン・あわじ。奇声を発しながら、喜びを表す彼は、次には「すいません・・・」と謝って、もう一度、今度はサポーターに向かって
「やったぜ~!!」と声をあげた。
僕らは、この03シーズンを最高の形で締めくくった。みんな、本当にありがとう!!