6年目のシーズン、僕らは開幕から好調を保っていた。
そんな中迎えた第12節。
せとのシュートは、キーパーも止めきれず、えびすがこれにいち早く追いついて幸先よく先制!
さらにその直後、キーパーからパス3本でいしのにボールが渡ると、そのまま相手を寄せ付けずミドルシュート!!その後さらに2点を奪い、4-0で快勝。
次の試合でも、新町ルドルフ相手に4点快勝!
この連勝で東島ビクトリーと順位が入れ替わり、2位に浮上!
しかし、首位独走を阻止すべく迎えたダイハード富士見戦は、前半に許したゴールが決勝点となり敗戦。勝ち点差が10に開いてしまう。
その後1-0のゲームを2試合連続で制し、順位は依然2位。絶好調とまではいかずとも、極端に調子を落とすことはなく、ここまで戦えている。
そんな中迎えたジャパンカップ。5年連続で、N1相手に初戦で倒されているが、徐々にその差は縮まってきている。
僕らの現在の目標は優勝、昇格。その先には、Nリーグでの戦いが待っている。
つまり、Nリーグ勢との公式戦は今の自分たちが昇格したとしてやり切れるのか?
それを試す場でもあるのだ。一発勝負とリーグ戦ではまた違いがあるとはいえ、僕らはいまだにNリーグチームを打ち破ったことがない。
とはいえ、初年度は2ケタ失点だった試合も、年々失点は減っていき、昨年は0-3。
ただサンドバック状態でフルボッコいうわけではなくなってきた。
相手はリーグで低迷し、残留争いを強いられているメンソーレ那覇。
スピードのある選手が多いのが特徴。
先にチャンスを迎えたのは横浜ユナイテッド。
チェックの甘い相手ディフェンスのスキをついて、えびすがマークを外してダイレクトボレー!
枠はとらえられなかったが、いきなりの決定機に、アウェイサポーターで埋まったスタンドからも歓声と拍手が。
しかし、メンソーレ那覇が直後のプレーで先手を取る。
ディフェンスラインにぽっかりと空いた穴を見逃さず、ヘイローがノープレッシャーでシュート!あっさりと先制を許してしまう。
その後も、メンソーレ那覇がスピードを生かして、横浜ディフェンスに襲い掛かる。
それでも、横浜はギリギリで何とか守り、追加点を許さない。
ペースを握られていた横浜だが、前半終了間際にまたチャンスを作り出す。
いしののロングボールをせとがおさめると、強烈なシュートを放つが、またも枠をとらえきれない。
しかし、それでも十分に可能性を感じさせる内容で前半を終える。
失点を最小限に抑え、チャンスもあった前半。今年は去年までと違う、行ける!
後半開始早々、横浜が2度もチャンスをつくる。
かなが相手に競り負けず、えびすにパスを送ると、今度はしっかり枠内にシュート!
さらに中盤であさだが奪うと、スルーパスが通り、再びゴールを襲う!
キーパーに阻まれたが、徐々にペースをつかんでいく。
相手も追加点を奪うべく、横浜ゴールに襲い掛かる。
先制点を奪ったヘイローがまたもゴールを脅かすが、せつこがきっちりクリア。
追加点を許さない。
後半24分、決定的なピンチを迎える。
うめみやのクリアボールが、新加入ながらレギュラーとして出場しているぬのかわにあたり、相手に転がる。しかし、このシュートはギリギリ枠を外れ、ピンチを免れる。
後半も30分を回り、一気にメンソーレ那覇よりの雰囲気になったスタジアム。
しかし後半37分、その雰囲気は一変する。
右サイドでせとがボールを受け取ると、あさだへ渡り、正確なスルーパスがなつめ(こちらも新加入!)へ渡る!
なつめは冷静にゴール右隅を揺らして、ついに同点に追いつく!
歓声とざわめきが起こるスタジアム。
余裕という感じを見せていたサポーターと、相手選手の焦りが一気にわかりやすくなった。
そして、僕は思い切ってあおやなぎとこやまを投入して、勝負に出る。
するとこの交代がきれいにハマる!
ぬのかわのロングフィードにあおやなぎが抜け出し、キーパーとの1対1を制し逆転!
残り2分での逆転ゴールに、勝利を手繰り寄せた!
キックオフ直後、相手はすぐに相手陣内にボールを送るが…
ピーッ、ピーーッ!!
試合終了!大逆転勝利のジャイアントキリング!!
相手サポーターの大ブーイングと、横浜サポーターの歓声が入り混じるスタジアム。
ついにNリーグチームを撃破した!!
横浜から遠く那覇の地まで駆けつけてくれたサポーター達!!
僕らは大きな自信を持ってリーグ戦2連戦と2回戦・富山ミラージオ戦に臨む!